医薬品のインターネット販売を可能にした改正薬事法について

最終更新日 2024年4月15日 by babylo

2014年5月までは、インターネット上の医薬品の販売を旧薬事法で規制されていて、限られた厳しい要件を満たした時だけ購入する事が出来ました。

改正薬事法が出来て、大幅に規制緩和されて2014年6月12日より、一般のドラッグストアなどで購入できる医薬品の一部を除くほとんどの物がネット上で購入できるようになりました。

何故インターネット上で薬が購入できるように改正されたのかと言うと、長年強い効果のある医薬品ほど副作用のリスクが高いと言う事で、適正な処方や服用方法を順守させる為に薬剤師の直接指導を必要としてきました。

そのため旧法では医薬品の販売方法にも厳格な規制がなされていて、対面販売のみでしか副作用のリスクのある効き目の強い薬は購入できませんでした。

そういった理由で対面では無いインターネット上での販売は、ほとんど認めて来られませんでした。

薬剤師がいないドラッグストアでは購入できないという不便さに対する不満を解消するために、薬をインターネットで販売する有名ドラッグストアが、ネット販売を禁じている省庁を相手取って裁判を起こしました。

最高裁判所がインターネットでの医薬品販売規制が無効であると判決を出して、その結果改正薬事法が出来ました。

改正薬事法によりインターネットで医薬品販売の解禁がなされた最大のメリットは、今まで購入するのに苦労していた消費者が薬を簡単にネット注文で入手できるようになった事です。

例えば、身体障害者や高齢者の場合は、自ら薬剤師のいるドラッグストアや薬局を探して行くのはこれまでは困難でしたが、ネットを使って簡単に購入できるようになりました。

その他にも離島や僻地の場合には、周辺に薬局自体が無くて、これまで医薬品を購入するために割高な交通費と時間を掛けて購入してましたが、ネット販売を利用すれば自宅で注文して家まで届けてくれるので楽になりました。

消費者側だけでなく、医薬品をインターネットで販売する業者側にもメリットがあって、法律が出来た事で国のお墨付きを得て販売がしやすさが向上しました。

医薬品のインターネット販売により問題点やリスクは、旧法がもともとネット販売を規制していた理由の副作用のリスクのある薬の説明を購入者に出来ないため、購入者が間違った服用をして副作用を引き起こす危険性があります。

また医薬品には、単体で飲んでも問題なくても2剤併用すると飲み合わせによって副作用が起こるリスクが存在します。

インターネット通販で購入者が自己判断で、飲み合わせの副作用の危険性に気付くのは難しいです。

さらにインターネット販売を行っている業者の中には、薬剤師に成りすまして間違った指導の元で飲み合わせが悪く副作用のリスクのある医薬品を販売したり、お金を払っても商品を送って来ない悪質な業者も少なからず存在します。

改正薬事法が出来たと言ってもインターネット上で全ての医薬品が販売できるようになった訳では無いです。

薬局で購入可能な薬には、医師が病院で処方箋を書いて薬剤師が処方して販売する医療用の薬剤と、一般のドラッグストアで販売可能な一般用医薬品があります。

一般用医薬品は、第一種と第二種と第三種の3種類が存在します。

特に副作用のリスクが高くて薬剤師が書面を使いながら説明する必要がある第一種医薬品です。

それとリスクが一種よりは低く、薬剤師が説明する努力義務がある第二種と、説明不要で販売できる第三種医薬品があります。

今回の改正法では一般用と医療用薬剤の間に、要指導医薬品という概念が導入されました。

要指導医薬品とは、もともと効用が非常に強い劇薬扱いの薬や、医療用から一般用に移行したばかりで使用実績が乏しいリスクが確定していないスイッチ直後の品目と言われた医薬品の事です。

これらの要指導医薬品は、3年間の安全調査が行われ、その間に何の問題も起きずに安全性が確認されると一般用薬になります。

旧法では第一種と第二種の医薬品のインターネット販売が認められず、第三種のみが販売を許されていました。

改正法が施行された後には、第一種と第二種共にインターネットでの販売が認められ、一般用医薬品の全てがネット販売できるようになりました。

医薬品のインターネット販売を行う業者には、次のような条件が課されています。

実際の店舗を有する薬局や店舗販売業の許可を持たないと、ネットで医薬品の販売ができません。

そのためネット店舗だけの無店舗業者は、インターネットで医薬品を販売できないです。

さらにその実店舗の要件も厳しく定められていて、週30時間以上の開店営業をしている事や、ちゃんと看板を掲げて営業している事や、常時薬剤師か登録販売者のいずれかの資格を持ったスタッフがいて、購入者が容易に入れる店舗で無ければなりません。

そしてネット販売できる薬は、その実店舗にて陳列されていて、ネットだけでなく対面や電話での相談体制がある事が条件です。